Didier Dagueneau SILEX
ロワールの天才??否、鬼才!!異端児!異才!!
- ロワールの天才??否、鬼才!!異端児!異才!!
- 1.味わい
- 2.合わせる料理
- 3.ペアリングの説明
- 4.ディディエ・ダグノー氏とは。。。
- 5.ディディエ・ダグノーは革命家
- 6.ディディエ・ダグノーの反抗期。
1.味わい
2.合わせる料理
『魚介類の出汁とハーブ スモークの香り際立つ一皿』
魚の出汁と帆立のヒモで取った出汁を合わせたものにハーブの香りを移しています。
瞬間的にスモークをかけているのでSILEXのミネラルの香りとのマリアージュもお楽しみください。
魚介の上にはのトマトのオイルと一緒に召し上がって頂くと、さっぱりとしてまた違った味付けになると思います。(シェフより)
3.ペアリングの説明
旬のお魚であるイトヨリに、上からハーブティーをかけるお料理です。
ハーブ🌿の香りがあるため、今回のワインは香りの強いものにしました。
更に『フュメ』とありますが意味は
“フュメ”は、煙で燻したという意味のフランス語です。
余談ですが、フランス語でスモークサーモンはソーモン・フュメ、
スモークハムはジャンボン・フュメと言います。
ワインラヴァーの皆様ですと
プイィ・フュメとはフランス・ロワール地方の、
ソーヴィニョン・ブラン種100%の白ワイン
が思い当たるかと思います。
本日はそのロワールの白をご用意しました。
4.ディディエ・ダグノー氏とは。。。
と通り名があります。どれもなんとも嫌味のある言葉、悪人のような気がしますが。
私には、『天才という言葉では足りなかった』そのようなニュアンスに聞こえます。
今回、ロワールの凄腕醸造家のディディエ・ダグノー氏。
ソーヴィニヨンブランを主体とした造り手です。
主なソーヴィニヨン・ブランだと2つの地域が思い当たります。
ロワールには、『シレックス』と呼ばれる。
大きな石灰質の石がゴロゴロとあります。シレックスからミネラルを吸収しミネラル感のあるワインに仕上がります。
(ディディエ・ダグノー畑にあるシレックスの様子)
5.ディディエ・ダグノーは革命家
上記で説明したように、プイィ・フュメではトロピカルなソーヴィニヨン・ブランは少なく。
青っぽく辛口なワインが主流。且つ、文化となっていました。
今回のシレックスはソーヴィニヨン・ブラン100%にもかかわらず、トロッとした舌ざわりとはちみつのような濃厚な香り、そして強じんなミネラル感を持ちます。一般的なロワールのソーヴィニヨン・ブランはピーマンのような独特のアロマがあり、華やかな香りのニュージーランド産の人気に押され気味でしたが、ディディエ・ダグノーは、前例を打ち破る数々の挑戦により、ロワールのソーヴィニヨン・ブランに対するイメージを打破することに成功したのです。
ダグノー氏は
ローヌの異才「アラン・グライヨ」、ボルドーの白ワイン造りに革命を起こした「ドゥニ・デュブルデュー教授」、ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」といった、世界的名手に指導を仰ぎました。そして、有機栽培と厳しい剪定、新樽を使った熟成、区画ごとの瓶詰めなど、当時のロワールとしては挑戦的なワイン造りを実践した結果、一躍ロワールのトップ生産者として評されるまでになったのです
6.ディディエ・ダグノーの反抗期。
そんなディディエ・ダグノーのワインですが
2017年ヴィンテージ移行、AOP を放棄!!その理由は
AOPを受けるには、ワインの検査が行われます。
その際に分析上の数値は問題なかったのに『揮発酸が多い』という指摘を受けてプイィ フュメの認証を得られませんでした。
そのような制度に縛られていてはドメーヌのオリジナリティや信念、哲学を表現する本物のワインを造ることは難しいと考え、2017年ヴィンテージから(ジュランソンのモワルーとセックは2015年ヴィンテージから)サンセール以外はAOPを放棄してVin de France(ヴァン ド フランス)としてリリースすることにしました。
馬鹿げたルールだ!!こんなルールの上では『プイィ フュメ』の品格が下がる。
と考えたようです。
ここまで、読んで頂きまして誠にありがとうございます。
今回のシレックスはハイエンドワインの一つで、熟成させるとコルトン・シャルルマーニュのようになると言われております。
正直、寝かせたい気持ちもあるにはありましたが、最高なワインを皆様と楽しめて嬉しく思います。
猿田 泰希